
自分に合う小説を読みたい!

次はどんな小説を読もう?
そんな方へ向けてこの記事を書いています。
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1.面白かった作品を手がかりに探す
あなたが面白いと感じた小説や映画・ドラマなどを手がかりにして、その作品に関連する小説を探す方法を4つご紹介します。
①面白かった映画やドラマの原作小説
まだ小説を読んだことがない人や、面白いと思える小説に出会えていない人におすすめなのが、この探し方です。
見て面白かった映画・ドラマ・アニメなどの中から、小説が原作となっているものを選びましょう。
近年の映画・ドラマ・アニメで原作が小説の例
映画
- 映画『マスカレード・ホテル』の原作小説『マスカレード・ホテル』(著者:東野圭吾)
- 映画『52ヘルツのクジラたち』の原作小説『52ヘルツのクジラたち』(著者:町田そのこ)
ドラマ
アニメ
- アニメ映画『かがみの孤城』の原作小説『かがみの孤城』(著者:辻村深月)※リンク先は上巻
- TVアニメ『小市民シリーズ』の原作小説第一巻『春期限定いちごタルト事件』
小説を映画・ドラマ化するとき、大筋のストーリーが大きく変わることはあまりないので、基本的に「ストーリーが自分に合わない」ということが起きないのがこの探し方のいいところです。
そのため内容も理解しやすく、「最後まで読み切ろう!」というモチベーションも高く保てると思います。
ただ、以下のことには注意しましょう。

映画やドラマと原作小説の違いを見つけるのも楽しいです
②面白かった小説の著者が書いている別の作品
「東野圭吾の小説が面白かったから、東野圭吾の別の小説を選ぶ」という王道の探し方です。
例に挙げた東野圭吾のように著作が多い作家の場合、どれを選べばいいか悩む方も多いと思います。
そういった場合は以下のような方法で候補を絞りましょう。
たくさんある候補から絞るには
レビューの点数が高い作品を選ぶ
レビューサイトの中で、Amazonや楽天ブックス、ブクログなどは、商品に最大星5つの評価を付けることができます。
この評価の平均点が高い小説は、より万人受けしていると考えられるため、平均点が低いものよりあなたに合う可能性が高いといえるでしょう。
一つのサービスだと比較が難しい場合は、他のサービスも併用するのがおすすめです。
以下、とある作家の小説を新しいものから10作品選び、Amazonと楽天ブックス、ブクログでの平均点数を比較しました。(楽天ブックス・ブクログの点数は小数第二位を四捨五入)
| Amazon | 楽天ブックス | ブクログ | |
|---|---|---|---|
| 作品A | 4.8 | 4.4 | 4.2 |
| 作品B | 4.1 | 3.8 | 3.6 |
| 作品C | 4.4 | 3.8 | 3.7 |
| 作品D | 4.3 | 3.9 | 3.8 |
| 作品E | 4.6 | 3.9 | 3.9 |
| 作品F | 4.2 | 3.7 | 3.6 |
| 作品G | 4.4 | 3.8 | 3.7 |
| 作品H | 4.6 | 4.1 | 4.0 |
| 作品I | 4.2 | 3.7 | 3.6 |
| 作品J | 4.2 | 4.0 | 3.8 |

作品EとHは、Amazonでは点差がありませんが、他サイトでは作品Hの方が高評価ですね
文学賞受賞作やブック・ランキング上位の作品を選ぶ
作家や書店員、書評家などの評価を参考にするのであれば、この方法がおすすめです。
作家のWikipediaのページに、編集者が文学賞受賞作やブック・ランキング入りした作品をまとめてくれていることが多いです。
文学賞は、大きく分けると公募新人賞とそれ以外の賞の二種類があります。
公募新人賞とは、デビュー前のアマチュア作家を対象にするものです。
受賞作はたいていの場合書籍化され、その作品でプロの作家としてデビューすることになります。
公募新人賞以外の賞は、ほとんどがプロの作家を対象にするものです。
まだ小説を数多く読んでいないうちは、公募新人賞以外の賞を参考にするのがいいでしょう。
このブログで取り扱っているエンタメ系の小説を対象にしたいくつかの文学賞と、各文学賞の受賞作を数作品ご紹介します。
ジャンルが限定されていない賞

上記の文学賞は、直木賞よりエンタメ性が重視されている印象があります
SF小説が対象の賞
日本SF大賞
- 『新世界より』(著者:貴志祐介)2008年受賞 ※リンク先は上巻
- 『ペンギン・ハイウェイ』(著者:森見登美彦)2010年受賞

エンタメ小説なら、他には「吉川英治文学新人賞」「本格ミステリ大賞」などがあります
ブック・ランキングは、毎年12月に発表される「このミステリーがすごい!」や「週刊文春ミステリーベスト10」、毎年2月に発表される「SFが読みたい!」などがあります。
文学賞と異なり、ランキング形式でたくさんの作品が紹介されます。
ブログ記事を参考にする
具体的な作品の紹介を見て決めたいときは、この方法がおすすめです。
「作家名 おすすめ」などで検索すると、記事が見つかるかと思います。
作品名とあらすじを羅列している記事よりも、ある程度数を絞ってそれぞれの作品の特徴や魅力を記述している記事の方が、どの小説を読むか決めやすいと思います。
当ブログでは以下のような紹介記事を投稿しています。
③面白かった小説の著者が獲得した文学賞の、他の受賞者の作品
これは例えば、東野圭吾が獲得した「江戸川乱歩賞」や「日本推理作家協会賞」などの賞の、他の受賞者の小説を選ぶという方法です。
各文学賞は、それぞれある程度傾向があるので、同じ文学賞を獲得している作家はそれなりに共通点があると考えられます。
東野圭吾の例でいうと、高野和明や薬丸岳といった作家は「江戸川乱歩賞」と「日本推理作家協会賞」を二つとも獲得しており、親和性が高いといえるでしょう。

江戸川乱歩賞は公募新人賞なのでご注意ください
④面白かった小説を高く評価している人の好みを参考にする
Amazonやブクログでは、小説のレビュー欄からレビュアーのページに行くことで、他の小説に付けている評価を見ることができます。
例えば、ブクログで東野圭吾の『手紙』に星5つを付けて絶賛のレビューをしているレビュアーAさんが、他の小説に付けている評価を調べてみました。
すると、柚月裕子の『最後の証人』や横山秀夫の『半落ち』、湊かなえの『告白』などに星5つの評価を付けていました。
この方法で小説を選ぶ場合、星5つばかり付けているレビュアーではなく、ある程度評価に差をつけているレビュアーのほうが参考にしやすいです。

星5つばかりだと、その中からどれを選べばいいか悩ましいです
2.フィーリングで探す
先ほど紹介した「面白かった作品を手がかりに探す」方法は、面白いと感じたものに近い小説を探す、堅実な方法です。
一方、思い切ってフィーリングで探すのも時には試してみると面白いです。
普段避けているタイプの小説と出会えるのが、この方法のいいところです。
この方法は目の前にたくさんの本があるとやりやすいので、大きい書店などに行くのがおすすめです。

こちらはある程度小説を読み慣れた人におすすめの探し方です
①タイトルで探す
書棚に並んだ小説のタイトルを見て、「これだ!」と思うタイトルの小説を選びましょう。
選んだ後にあらすじを読んで、自分好みのストーリーか確認してもいいですし、あえて何も調べず買ってしまってもいいでしょう。

ストーリーを調べると、結局いつも読んでいるタイプの小説を選んでしまいがちです
②表紙で探す
書店に行くと、表紙を上にして本が陳列されている平台(ひらだい)があります。

これを眺めて、ビビッときた小説を選びましょう。
3.自分に合った小説に出会うコツ
最後に、小説を探す中で自分好みの作品に出会うためのコツをご紹介します。
①長めの作品を敬遠しない
まだ小説を読み慣れていない人は、なかなか厚めの作品には手が出ないのではないでしょうか。
もちろん最初のうちは短めの作品で構わないのですが、ある程度小説を読むのに慣れてきたら、長めの作品に挑戦するのをおすすめします。
なぜかというと、傑作とされる作品は長いものが多いからです。
例えば、文庫で800ページ以上ある東野圭吾の『白夜行』、上・中・下巻合計で1,500ページ近い貴志祐介の『新世界より』などが「評価が非常に高いが、とても分厚い」作品として有名です。

短めの作品を読んで「この作家の文章なら長くても大丈夫だな」と思えたら、長めの作品に挑戦しましょう!
②超有名作品を避けない
「この作品は評価が高いけど、有名すぎて今さら読む気になれない……」と超有名作品を避けてしまう人は多いのではないでしょうか。
私も映画『タイタニック』を避け続けた経験がありますが、5年前にようやく見たら普通に面白くて「もっと早く見ておけばよかった」と後悔しました。

なんの意地だったのか自分でもわかりません
③試し読みをする
「ストーリーが面白そうだからこの作品を読もう!」と決めるのはいいのですが、その際に可能であればAmazonや出版社のWebサイトで冒頭の試し読みをしましょう。
小説は、ストーリーが好きでも文章の書き方が合わないと、なかなか面白さがわからないことが多いです。

とある作品を読んでいるときに、会話文で「……」(三点リーダー)が死ぬほど出てきて、めちゃくちゃ気になったことがあります
ただ、フィーリングで選ぶ場合は、あえて試し読みをせずに普段避けているタイプの小説との巡り合いを楽しむのもいいでしょう。
◆自分に合った面白い小説の探し方・選び方まとめ
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1.面白かった作品を手がかりに小説を探す方法
①面白かった映画やドラマの原作小説を選ぶ
②面白かった小説の著者が書いている別の作品を選ぶ
※多すぎて選べないときは、レビューの点数が高い作品や文学賞受賞作などを選ぶ
③面白かった小説の著者が獲得した文学賞の、他の受賞者の作品を選ぶ
④面白かった小説を高く評価している人の好みを参考にする
2.フィーリングで小説を探す方法
①書店で書棚に並んだ小説のタイトルを見て選ぶ
②書店で平積みにされた小説の表紙を見て選ぶ
3.自分に合った小説に出会うコツ
①長めの作品を敬遠しない
②超有名作品を避けない
③試し読みをする


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